滝澤 将弘
Takizawa Masahiro1. システムバスには手すりが設置できない!?
みなさん、こんにちは。株式会社TORIのTAKIZAWAです。
当社では、福祉・介護を中心にリフォーム工事を請け負っているのですが、そのなかで最も多い質問が「システムバス(ユニットバス)って手すりが取り付けられますか!?」という質問です。
答えは、設置できます!(正確には、設置できることの方が多い…です)
最近の日本の浴室は90%以上がシステムバス工法でできています。
システムバスの壁面は化粧鋼板やフレキシブル板・タイルといった素材が貼ってあることが多いのですが、その裏側は実は中空(空っぽ)なんです。
だから従来のようにコンクリートや木下地がないため、手すりの設置ができないと考えられていました。
しかし、最近では各メーカーが様々な手すりを販売して取り付けができなかった壁面にも設置ができるようになってきました。
2. 手すりが設置できる壁面素材とは…
すべてのシステムバス壁面に設置ができるわけではありませんが、概ね設置は可能です。
システムバスの約60%は化粧鋼板になっていると言われています。化粧鋼板でできているシステムバスは設置ができます。
化粧鋼板か否かの確認方法はとっても簡単!磁石がつくかどうかです。
磁石がつけば設置可能、つかなければ設置不可です。
それ以外にもフレキシブル板やタイルといったシステムバスもありますが、メーカーによっては設置できるものもありますので、施工店にお問い合わせください。
最近では、接着剤や吸盤取付といった方法で設置できる手すりも販売されています。
ただしメーカーが推奨する方法で設置しないと、外れる可能性が高いのが欠点ですので、あまりおススメはしていません。
3. 壁面固定以外の浴室手すり
手すりの打ち合わせをしていますと、壁面ばかりに目が行ってしまいますが、ご利用者様が本当に欲しいのは空間だったりする場面があります。
そこで壁面に固定する方法以外の浴室手すりをご紹介いたします。
- 浴槽グリップ
ご存知の方も多いかと思いますが、一番最初に頭に思い浮かぶ浴室手すりは【浴槽グリップ】です。
こちらの製品は浴槽のヘリに挟むだけのカンタン手すりなので、浴槽へのまたぎ動作には非常に有効です。
ただし、強度が足りず取り付けができない浴槽もありますので注意が必要です。
またデメリットして、浴槽のまたぎスペースが狭くなるため、狭い浴室や家族と共有される方にとっては、邪魔になりやすいことです。
- 突っ張り型手すり
あまり知られていませんが、浴室用の突っ張り型手すりもあるんですよ。こちらはレンタルではなく購入の対象になります。
シャワーイスからの立ち上がりや、立位でのシャワー浴、浴槽からのまたぎ動作など様々な場面に使用できる万能な手すりです。
強度もしっかりとしていて、大柄な男性が使用してもビクともしません!
ただし、設置場所が限られているため設置の可否は取付店に確認が必要です。
- バスボード
バスボードと聞くと、浴槽への移乗の際に使用するものと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、移乗以外にも手すりとしても使用できるものが増えています。
円形のバスボードに手のひらを乗せて使用することもできますし、バスボードに最初から手すりがついているものも増えてきました。
- 据置型手すり
そして最近ではレンタルする据置型手すりも発売されました。設置場所に制限がない分、自由度が高く環境や状況に合わせて移動も可能です。
ただしご想像の通り、お手入れが非常に大変であるというデメリットがあります。
賃貸住宅で施工が困難な環境や、一時的な使い方しかしない住宅に向いている手すりです。
4. まとめ
以前と比べて、比較できないほど手すりの種類が増え、システムバスに手すりが取り付けできない時代は終わりを迎えています。
手すりが壁面に設置できなかったとしても、代替手段はたくさん用意されていますので、環境や使用方法をご確認のうえ、よくご検討ください。