滝澤 将弘
Takizawa Masahiro1. 自宅の中で一番危険な場所
みなさん、こんにちは。株式会社TORIのTAKIZAWAです。
私たちの仕事は、在宅高齢者のためにいつまでも住みやすい環境を提案することです。
そんな私たちの仕事の中で一番ご相談が多い場所…それは【浴室】です。
厚生労働省から発表されている家庭内事故についての統計によりますと、不慮の溺死及び溺水が何年も連続で一位となっています。
つまり浴室内事故が非常に多いことを表しているようです。
実際に、浴室内での事故は「転倒・転落」だけではなく、温度差による「ヒートショック」や「溺死・溺水」など多種多様な事故が起こっています。
環境としても、床が滑りやすかったり、段差のまたぎが必要だったり、床への座り込みがあったり…と高齢者にとっては非常に危険な場所の一つです。
2. シャワーチェアを導入したらまず考えること
浴室内で起こる事故は多種多様なことがお分かりいただけたかと思いますが、その中でも圧倒的にご相談が多いのがシャワーチェアの導入です。
シャワーチェアは、床や低い椅子からの立ち上がりが不安定になってきた方に向けて導入する一番最初の浴室内福祉用具なのかもしれません。
そんなシャワーチェアを導入すると必ず起こってくる問題が、シャワーフックの位置です。
シャワーチェアを導入したことで座高が高くなり、下段のシャワーフックにシャワーヘッドを引っ掛けると低すぎて無理に腰をかがめなくてはなりません。だからと言って上段のシャワーフックにシャワーヘッドを引っ掛けると高すぎて手が届かなかったり、思った位置に水が当たらなかったり…と新たな問題が発生してしまいます。
最近の住宅では、シャワーフック本体がスライドできるタイプになっていて、家
族の身長や使い方に合わせて調整ができるものも増えてきました。
しかし、すべての家庭の浴室に設置されているわけではないため、特に高齢者宅
では困ってしまう問題になっています。
3. シャワーフック便利グッズのご紹介
そんなシャワーフックあるあるの問題を簡単に解決できる便利グッズをご紹介します。
- ユニバーサルシャワーフック(2,750円)
従来のシャワーフックに差し込むだけの簡単設置なので、購入したその日から使用できます。フリージョイント部(ボール)が自由に動いて固定できるため、シャワーの角度や方向を自由に変えられます。
また介護者の両手がフリーになるため、とても介護がしやすく安全に使用できます。
壁とシャワーヘッドの距離が出るため、シャワーキャリー等での入浴にも大変便利です。
- 角度自在シャワーフック(1,760円)
大型吸盤で設置するタイプなので、お風呂場のタイル面ならどこでもカンタンにシャワーフックが設置できます。耐水シートも付属しているため濡れても大丈夫。角度調整もできるため、高さだけではなく利用環境に合わせて設置場所を決められます。
また吸盤タイプなので取り外してもあとが残らず、賃貸住宅にもおススメですよ。
※何回も着脱すると吸着力は低下します。
4. まとめ
シャワーチェアを導入すると立ち上がり等の動作は改善しますが、それに伴う弊害もあるため、シャワーチェアを導入した際には必ずシャワーフックの位置も確認してください。
それから、シャワーではなく洗面器を使用される方にとっても、座高が変わると洗面器が使いづらくなってしまうので、洗面器の高さも調整してあげてください。
ちなみに私がおススメなのは、専用の道具でも良いのですが、ホームセンターなどで販売されているプランタースタンドを使用すると安価に再利用できます。高さやサイズもたくさんありますので、ご自身の洗面器のサイズを確認してから購入してくださいね。