滝澤 将弘
Takizawa Masahiro1. 日本一の普及率
みなさん、こんにちは。株式会社TORIのTAKIZAWAです。
突然ですが、みなさんは体位変換用クッションと聞いてまず何を思い浮かべますか?
恐らく、緑色の三角クッション【ナーセントパット】ではないでしょうか!?
【ナーセントパット】はアイ・ソネックス社が製造販売しており、昔から日本の病院などで体位変換用クッションとして使用されてきました。
介護保険が始まってからは、在宅にも普及し一般にも幅広く認知されるようになりました。
私がこの業界に入った当初は、体位変換用クッション=【ナーセントパット】と思っていたぐらい、どこの介護ショップでも取り扱いがありました。
2. ナーセントパットは介護保険対象外!?
しかし、そんな【ナーセントパット】が現在では介護保険の対象から外れているのをご存知でしたでしょうか!?
介護保険の対象であるか否かの判断は、各自治体に任せられていますが、各自治体の担当者もすべての福祉用具を把握しているわけではないため、公益財団法人テクノエイド協会が推奨している、いわゆる《貸与マーク》が付与されている福祉用具かどうかを判断材料にしているようです。
しかし【ナーセントパット】には、その《貸与マーク》が付与されていません。
理由は定かではありませんが、体位を変換するための道具ではなく体位を保持するための道具としてとらえられているようです。
つまり【ナーセントパット】は《貸与マーク》が付与されていませんので、多くの自治体では給付対象にはしていません。
【貸与マーク】なし
【貸与マーク】あり
※すべての自治体ではありませんので、詳しくはお住いの自治体にご確認下さい。
3. 保険対象になる製品とは…
それでは、そもそもどんな製品なら介護保険の対象になるのでしょうか!?
以下の通り、《貸与マーク》が付与されている製品をご紹介いたします。
ウェルピーHCシリーズ(タイカ)
サイズや形の種類が豊富なため、最近では体位変換用クッションの中心になってきています。中身の素材は反発力のあるクッションなので、動きのある関節部位などにオススメです。ただしカバーは通気性があるものの素材の問題からか、熱がこもりやすい印象です。
ロンボクッションシリーズ(ケープ)
程よい安定感があるため、しっかりと保持したい方や部位に向いています。
またカバーはサラッとした生地のため、肌触りも良く長時間の使用にも蒸れにくい特徴があります。
サイズ展開は少ないため、身体状況に合わせて技術が必要となります。
ふわ・もシリーズ(イノアックリビング)
モチモチした触感が特徴で、肌触りを気にされる方や痛みが強い方におススメです!
ただし長時間の使用は蒸れやすいため向いていません。
4. まとめ
【ナーセントパット】は身体の隙間に差し込みやすく、だれでも扱いがしやすいという特徴はありますが、このように介護保険の対象からは外れているため、給付管理には十分な注意が必要です。
また日本褥瘡学会からも、使用に対する懸念が発表されているため、やはり拘縮が進行しやすい日本の高齢者には不向きなのかもしれません。
昔から、褥瘡や拘縮は人災であると言われてきましたが、介護保険対象の製品にもそれぞれ特徴があるため、製品を理解したうえで利用者や環境に適したサービス提供をすることが重要なポイントです。